2012 .
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■4日の日経新聞に…
マンションの建て替え要件の緩和が検討されている、という記事が載っていました。
現行では所有者および議決権の4/5以上の賛成が必要なのですが、2/3の賛成でも建て替えできるようにしようというものです。
総戸数30戸のマンションで考えれば、24人の賛成が必要だったものが、20人の賛成で建て替えが可能になるわけです(*1)
記事には
現行では、反対する一部の住民が「今の家に住み続けたい」「資金は出せない」などと主張。建
て替える場合でも、高額な補償を求めるケースもあり、老朽化しているにもかかわらず、建て替えや改修の決議ができない状況が続いている。
とあります。
建て替えに反対することは悪いことのように書かれています。
でも本当にそうなのでしょうか???
ローンが終わったばかりなのに費用負担などしたくない、マイホームを手放すのは嫌だ(*2)という意見だとしても、他人からとやかく言われる筋合いはないはずです。
■ある事例から
建て替えに成功したあるマンションの話です。
このマンションは容積率に余裕があったため、建て替え前と同じ広さであれば費用負担なしに建て替えができるというものでした(*3)。誰もが賛成するはずですよね。
築40年近いマンションが費用負担なしに新築マンションに生まれ変わるのですから。
ところが、最後まで賛成しない区分所有者(←マンションの所有者のことです)が2名いたそうです。
みんなが建て替えを望んでいるのになんてワガママな、と思うでしょうか・・・。
うち1名は全盲の方だったそうです。
建て替えによってエントランス、エレベーターや共用廊下の配置も大きく変わります。
たとえ老朽化したマンションでも住み慣れた住戸で暮らしたいというのは当然な思いでしょう。
もう1名の方は癌で闘病中の方だったそうです。
建て替えが決議され解体工事が始まってから新しいマンションが完成するまでに約2年かかります。
自分はおそらくは新しいマンションに住むことはないだろう。できればこのまま今の住居に住み続けたい。
そう願っていたようです。
■区分所有権は特殊な権利だ。
人にはそれぞれ事情があります。様々な思いがあります。建て替え反対は悪いことと一律に決めつけるわけにはいきません。
そうはいっても、築年が経過し老朽化したマンションは、建て替えや改修をしないと周辺環境を悪化させてしまいます。いつかは建て替えが必要となります。その時点で建て替えに賛成でない人はあきらめざるを得ません。マンション=区分所有権である以上、これはやむを得ないことです。
マンションの所有権(区分所有権)は、戸建住宅の所有権とは大きく異なります。戸建住宅であれば多数決によってマイホームを奪われるということはありません。マンションは利便性、安全性という面では優れたものですが、権利面では制約が大きいのです。
これからマンションを購入しようとする人はもちろん、現在マンションを所有している人も、そのことをよく理解しておく必要があると思います。
*1 正確には区分所有者の数だけでなく、議決権も2/3以上の賛成が必要です。
*2 建て替え決議に賛成しない人は、マンションの売渡しを請求されます(区分所有法第63条第1項)
*3 総戸数を増やして、増えた分の住戸を分譲します。その収益を建替え費用に充てることで費用負担なしに建て替えができるのです。

マンションの法律関係を理解するには
「マンションは広告、重要事項説明を理解してから買いなさい」
をお勧めします。
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