2012 . 02
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  •  ■4日の日経新聞に…
    マンションの建て替え要件の緩和が検討されている、という記事が載っていました。

    現行では所有者および議決権の4/5以上の賛成が必要なのですが、2/3の賛成でも建て替えできるようにしようというものです。
    総戸数30戸のマンションで考えれば、24人の賛成が必要だったものが、20人の賛成で建て替えが可能になるわけです(*1)
     
    記事には
    現行では、反対する一部の住民が「今の家に住み続けたい」「資金は出せない」などと主張。建
    て替える場合でも、高額な補償を求めるケースもあり、老朽化しているにもかかわらず、建て替えや改修の決議ができない状況が続いている。
    とあります。
     
    建て替えに反対することは悪いことのように書かれています。
    でも本当にそうなのでしょうか???
    ローンが終わったばかりなのに費用負担などしたくない、マイホームを手放すのは嫌だ(*2)という意見だとしても、他人からとやかく言われる筋合いはないはずです。
     
    ■ある事例から
    建て替えに成功したあるマンションの話です。

    このマンションは容積率に余裕があったため、建て替え前と同じ広さであれば費用負担なしに建て替えができるというものでした(*3)。誰もが賛成するはずですよね。
    築40年近いマンションが費用負担なしに新築マンションに生まれ変わるのですから。
     
    ところが、最後まで賛成しない区分所有者(←マンションの所有者のことです)が2名いたそうです。
    みんなが建て替えを望んでいるのになんてワガママな、と思うでしょうか・・・。
     
    うち1名は全盲の方だったそうです。
    建て替えによってエントランス、エレベーターや共用廊下の配置も大きく変わります。
    たとえ老朽化したマンションでも住み慣れた住戸で暮らしたいというのは当然な思いでしょう。
     
    もう1名の方は癌で闘病中の方だったそうです。
    建て替えが決議され解体工事が始まってから新しいマンションが完成するまでに約2年かかります。
    自分はおそらくは新しいマンションに住むことはないだろう。できればこのまま今の住居に住み続けたい。
    そう願っていたようです。
     
    ■区分所有権は特殊な権利だ。
    人にはそれぞれ事情があります。様々な思いがあります。建て替え反対は悪いことと一律に決めつけるわけにはいきません。
     
    そうはいっても、築年が経過し老朽化したマンションは、建て替えや改修をしないと周辺環境を悪化させてしまいます。いつかは建て替えが必要となります。その時点で建て替えに賛成でない人はあきらめざるを得ません。マンション=区分所有権である以上、これはやむを得ないことです。
     
    マンションの所有権(区分所有権)は、戸建住宅の所有権とは大きく異なります。戸建住宅であれば多数決によってマイホームを奪われるということはありません。マンションは利便性、安全性という面では優れたものですが、権利面では制約が大きいのです。
     
    これからマンションを購入しようとする人はもちろん、現在マンションを所有している人も、そのことをよく理解しておく必要があると思います。
     
     
    *1 正確には区分所有者の数だけでなく、議決権も2/3以上の賛成が必要です。
    *2 建て替え決議に賛成しない人は、マンションの売渡しを請求されます(区分所有法第63条第1項)
    *3 総戸数を増やして、増えた分の住戸を分譲します。その収益を建替え費用に充てることで費用負担なしに建て替えができるのです。
     
     
     
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    マンションの法律関係を理解するには
    マンションは広告、重要事項説明を理解してから買いなさい
    をお勧めします。









     
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    ■新築分譲マンション広告はなぜ壁芯面積で表示されるのか?

    マンションの壁は共用部分だから、登記の際に面積に入れることはできない。
    つまり内法面積で登記される。
    ではなぜ広告は壁芯面積を用いて表示するのか?

    これが前回までのお話でした。
     
    ■新築分譲の時点では内法面積を確定できない。
     
    実は新築分譲マンションの場合、内法面積を確定できないことが多いのです。
     
    マンション建築には多額の資金が必要です。
    売主であるマンションデベロッパーはできるだけ早く販売し、資金を回収しようとします。
    そのため、マンションが完成する前から販売する、いわゆる「青田売り」が一般的です。
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    ところが内法面積はマンションが竣工し、壁紙やクロスが張られた後でないと確定できないのです。
     
    つまりマンションが完成していない広告段階では内法面積はわかりません。
    設計図に基づく壁芯面積で表示せざるを得ないのです。
     
    そのため不動産広告の業界ルールでは、居室の面積は壁芯面積で表示することを原則としています(*)。
    戸建住宅はもちろんマンションでも、です。
     
    登記は狭い面積(内法面積)なのに、広告は広い面積(壁芯面積)で表示されるのにはきちんとした理由があったわけです。


     

    *不動産の表示に関する公正競争規約第11条第15号。なお15号でいう延べ面積とは建築基準法でいう延べ面積=壁芯面積のことです。16号も参照のこと。

     
    不動産広告のルールについては不動産広告表示の実務もご参照ください。

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    ■専有部分と共用部分

    マンションの専有面積は内法面積で登記される。
    それはなぜか?
    というのが前回の問題でした。
     
    解答をお話しする前に、専有部分と共用部分について簡単に説明させてください。
     
    専有部分とはマンションの住戸部分のことです(*1)。
    つまりマンション購入者(区分所有者といいます)が、一人で独占的に使う部分です。
    一方、共用部分とはマンション購入者が共同で使う部分です。
    マンションのエントランス、ロビー、共用の廊下や階段、エレベーターなどは共用部分です。
    c887cbab.jpg







     
    ■なぜ登記は内法面積なのか

    さて、内法と壁芯の話です。

    マンションの壁(戸境壁)は誰ものなのでしょう?

    言い方を変えればマンションの壁は専有部分か共用部分か、ということです。
     マンション購入者(区分所有者といいます)のもの、つまり専有部分なのでしょうか。
     
    そうでありません。住戸と住戸の間の壁(戸境壁)共用部分です。
    もし専有部分なら、所有者が壁を自由に削ってもいいということになってしまいます。
    そんなことされたらマンションの安全性が保てません(*2)。
     
    アカデミーマンションの201号室をクロネコムサシさんが所有しているとしても、
    壁までもムサシさんのものとして登記に示すわけにはいかないのです。
     
    壁を専有部分に含めるわけにはいかないのです。
    ヤマトさんの所有物として認められるのは壁の内側から、ということになります。
    そのため登記面積は内法面積になります。
     
    ■なぜ広告は壁芯面積なのか

    それならば、マンションの広告も内法面積で表示すればいいではないか?
     
    これが次なる疑問でしょう。
    壁が共用部分だから、内法面積で登記する。それはいい。
    しかしそれならば、広告も内法面積ですればいいではないか、と思いませんか?
     
    やはり不動産業界はずるい業界なのでしょうか???
     
    そうではありません。
    広告(特に新築マンションの広告)は、壁芯面積にせざるを得ない理由があるのです。
    それはなぜか…。
     
    みなさんも考えてみてください。
     
    ヒントは「新築マンションが広告されるのはいつからか?」です。

     
     
    *1 専有部分=住戸部分というのは、実は正確ではありません。
    地下駐車場や排水管の一部が専有部分と判断された判決もあります
    (東京地裁平成14年7月11日判決、福岡高裁平成12年12月27日判決)
    *2 戸建の場合は、建物の外壁も所有者のものです。壊そうが取り外そうが自由です。
    ですから壁の真ん中まで含めた壁芯面積で登記されます
    (壁芯面積が権利として認められます)。
     
    登記についてはスッキリわかる宅建PARTⅢ 第13章CASE2もご参照ください。

    IMG_0251.JPG

     

    ■内法面積と壁芯面積

    今日は、マ ンションの面積は2つある! というお話です。

    「面積は縦×横で決まる。1つに決まっているじゃないか!」

    そう思った方もいるかもしれません。
    そうです。正確には面積の測り方が2つある、ということです。
    縦、横の長さを、①壁の内側から図る、②壁の真ん中(中心線)から図る、という2つの測定方法(表示方法)があるのです。

    28fb7a2e.JPG
      図のa×bは壁の内側から図っています。
     この方法で求められた面積を内法面積といいます。

      図のc×dは壁の中心線(壁の芯)から図っています。
      こちらは壁芯面積です。

     
    ■登記は内法、広告は壁芯

    内法面積と壁芯面積では、当然、壁芯面積の方が広くなります。
    問題はなぜ2つの表示方法があるのか、ということです。
     
    まず、登記には内法面積が用いられます。

    登記とは簡単にいえば「その不動産の所有者が誰なのかを示す台帳のようなもの」のことだと思っておいて下さい。

    登記をみれば、アカデミーマンションの201号室の面積は75㎡で、所有者はクロネコムサシさんだ、といったことがわかります。
     
    一方、不動産広告ではマンションの面積は壁芯面積で表示するのがルールです(*1)
     
    不動産を購入した場合、一定の要件を満たせば住宅ローン控除という所得税の減税措置を受けることができます。
    この減税の対象となるのは面積50㎡以上の物件です。
    あまり小さい不動産は減税を受けられないのです。
    この面積は登記面積、つまり内法面積で判断されます。
     
    とすると、

    広告(壁芯面積)では50㎡と表示されていたマンションを購入したが、登記(内法面積)は48㎡しかなかった。そのため税制優遇が受けられなかった・・・。

    ということも起こりうるわけです(*2)

    広告では広い面積(50㎡)だったのに、自分の権利としておおやけに認められるのは(=登記されているのは)狭い面積(48㎡)にすぎないからです。

     
    ■なぜマンションの登記は内法面積なのか

    登記が内法面積なのに、なぜ広告では壁芯面積で表示されるのでしょう?
    不動産業界の人たちは小さい物件を大きく見せて売ろうとする、ずるい人たちなのでしょうか???
    もちろん、そうではありません。
     
    そもそも建物の面積は壁芯面積で表示するのが原則なのです。
    戸建住宅であれば広告はもちろん、登記も壁芯面積です。
    マンションの専有面積の登記だけが例外なのです。
     
    つまり問題は、

    なぜマンションの専有部分は内法計算で登記されるのか?

    ということになります。

    いったいなぜでしょう?
     
    みなさんも考えてみてください。
     
    ヒントは「マンションの壁は誰のものか?」です。



     
    *1 不動産の表示に関する公正競争規約
    *2 最近ではデベロッパーもこのような物件は作らないようですが、かつては「悲劇」も耳にしました。
     
    登記についてはスッキリわかる宅建PARTⅢ 第14章もご参照ください。


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    前回はセットバックのお話でした。今日はその続きです。
    でも今回のお話は、かなりオタクな話です。
    業界の人でも知らない人がいるかもしれません。
     
    ■幅員8mが必要なこともある
    前面道路の幅員が4m以上ないと建築できない、
    というのは建築基準法で定めた最低限の基準です。

    マンション敷地など多くの人が利用する土地の場合には前面道路幅員が4mでは狭い、ということもあります。
    そのため、各自治体の開発指導要綱などで上乗せの基準を設けていることが多いです。
    マンションを建築するのであれば、前面道路の幅員が6mとか8mないと建築が認められないというのが一般的なのです。
     
    ■もし、前面道路の狭いマンション用地があったら…
    話はここからです。

    幅員4m道路沿いに広い土地があったとします。
    最寄り駅からも近いし、土地の形状も悪くない。都市計画の容積率も300%くらいある。
    マンションに適した土地です。

    デベロッパーとしてはどうしてもマンションを建てたいと思います。
    でも、道路幅員は4mしかありません。
    このままではマンションの建築は認められません。そこで…
     
    ■ヘビ玉道路の誕生
    自分だけセットバックするのです。

    道路は図のような形状になります。
    b91fb051.jpg
     







    ヘビが卵を呑んだみたいに道路の一部だけが膨らむので通称ヘビ玉道路と呼んでいます。
     
    ■反対の住民運動もおきた
    ヘビ玉道路では本来の目的を果たせません。
    マンションの前だけが幅員8mでもその他の部分は4mなのですから、この道路の有効幅員は4mです。
    しかしデベロッパーはヘビ玉状態で「前面道路の幅員は8m」としてマンションの開発許可を申請するのです。
    そして行政も形式上、要件を満たしているため許可を下ろします。
    そんなバカな!ですよね。
     
    というわけで、ヘビ玉道路によるマンション開発を認めるべきではない、という住民運動や訴訟が起きたこともあります。
     
    マンションの前面道路は幅員8m必要、と定めた開発指導要綱の趣旨からいえばおかしな話ですからね。
     

    無理が通れば道理が引っ込む。
    不動産、こういったおかしな話は、残念ながらまだまだたくさんあります。



     
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